
営業の技術サポートで、顧客の要求に応じるのは大変だ。
新たな技術を習得しつつ、個別の顧客の対応方法を相談しながら、
日々の仕事を進める。
客の対応が一段落し コーヒーを飲んでいると、
俺に合った他の仕事があるんじゃないかと思う。
金曜日の朝も寝不足で、妻の作った目玉焼きとパンとコーヒーで朝食を済ませ、
いつものように
朝7時半過ぎの満員電車で会社に向かった。
「あのう・・・、次の駅で降りませんか」
声の方に振り返ると、経理の松下弥生さんだ。肌の細かい色艶で見とれてしまう。
「何か・・・」
「次の駅で降りませんか」
いつもなら25分程この電車に乗って、京浜急行に乗り換えて二つ目の駅で降りる。
「どうかしましたか」
「降りたら話しますから」
次の駅で電車を降りた。