維摩経(ゆいまぎょう)

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維摩経(ゆいまぎょう) (巻下之第二)

見阿閦仏品(けんあしゅくぶつぼん) 第十二(だいじゅうに)


爾時世尊(その時、世尊) 問維摩詰(維摩詰に問いたまわく)

汝欲見如來(汝、如来を見んと欲す) 為以何等觀如來乎(何等を以って如来を観ると為すや)

維摩詰言(維摩詰言わく) 如自觀身實相(自ら身の実相を観ずるが如し)

觀佛亦然(仏を観ずるもまた然り) 我觀如來(我、如来を観ずるに)

今則不 (今は、すなわち住せず) 不觀色(色を観ぜず) 不觀 色如 (色の如を観ぜす) 不觀 色性 (色の性を観ぜす)

不觀受想行識(受想行識を観ぜず) 識如(識の如を観ぜず) 不觀識性(識の性を観ぜず)

四大(四大の起こすに非ず) 同於虛空(虚空に同じく) 六入 無積(六入積もること無く) 眼耳鼻舌身心已過(眼耳鼻舌身心(意)すでに過ぐ)

不在 三界 (三界(世界)に在らず) 三垢 已離(三垢すでに離れ)

三脫門 (三脱門に順ず)

具足 三明無明(三明と無明と等しく具足す)

一相異相 (一相ならず、異相ならず) 不自相 不他相 (自相せず、他相せず) 非無相非取相(相無きに非ず、相を取るに非ず)

此岸彼岸 不中流(此岸ならず、彼岸ならず、中流ならず) 而化眾生(しかも衆生を化す)

觀於寂滅寂滅を観ずれども 亦不永滅 また永く滅せず

不此不彼(此ならず、彼ならず) 不以此不以彼(此を以ってせず、彼を以ってせず)

不可以智知(智を以って知るべからず) 不可以識識(識を以って識るべからず)

無明晦無く、明無く 無名無相名無く、相無く 無強無弱強無く、弱無く 非淨非穢浄に非ず、穢に非ず

不在 不離方方に在らず、方を離れず 有為無為 有為に非ず、無為に非ず 無示無說示すこと無く、説くこと無し 施せず慳せず

戒せず犯せず 忍せず恚せず 進せず怠せず 定せず乱せず

智せず愚せず

不誠不欺誠ならず欺かず 不來不去来たらず去らず 不出不入出でず入らず 一切言語道斷一切の言語の道断つ

非福田非不福田(福田に非ず福田ならざるに非ず) 非應供養(まさに供養すべきに非ず) 非不應供養(まさに供養すべからざるに非ず)

非取非捨(取るに非ず捨つるに非ず) 非有相非無相(相有るに非ず相無きに非ず)

真際 真際に同じく 法性 法性に等しく 不可 称るべからず 不可量量るべからず

過諸稱量(諸の称量を過ぐ) 非大非小(大に非ず小に非ず) 非見非聞(見に非ず聞に非ず) 非覺非知(覚に非ず知に非ず) 離眾結縛(衆の結縛を離る)

諸智 同眾生(諸智に等しく、衆生に同じく) 於諸法無分別(諸法に於いて分別無く) 一切無失(一切の失(とが)無く) 無濁無惱(濁無く悩無く)

無作無起(作用無く起動無く) 無生無滅(生無く滅無く) 無畏無憂(畏無く憂無く)

無喜無厭無著(喜無く厭無く著無く) 無已有無(已に有りたること無く) 當有無今有(当に有らんこと無く、今有ること無し)

不可以一切言說分別顯示(一切の言説を以って分別顕示するべからず)

世尊(世尊) 如來身為若此(如来の身はかくの若しと為し) 作如是觀(かくの如き観を作す)

以斯觀者(この観を以ってすれば) 名為正觀(名づけて正観と為し) 若他觀者(もし他の観をもってすれば) 名為邪觀(名づけて邪観と為す)

爾時舍利弗問維摩詰(その時、舍利弗、維摩詰に問わく) 汝於何沒(汝、何(何処)に於いて没し) 而來生此(来たりて、ここに生ずるや)

維摩詰言(維摩詰言わく) 汝所得法(汝が所得の(無為無相の)法に) 有沒生乎(沒と生と有りや)

舍利弗言(舍利弗言わく) 無沒生也(沒と生無し)

若諸法無沒生相(もし諸法に沒と生の相無くんば) 云何問言(云何が問うて言わく)

汝於何沒(汝、何に於いて没し) 而來生此(来たりて、ここに生ずるや)

於意云何(意に於いて云何) 譬如幻師(譬えば幻師の) 幻作男女(男女を幻作するが如きは) 寧沒生耶(むしろ沒と生とありや)

舍利弗言(舍利弗言わく) 無沒生也(沒と生と無きなり)

汝豈不聞佛說諸法如幻相乎(汝、あに仏の、『諸法は幻の相の如し』と説きたまえるを(何も)聞かずや)

答曰如是(答えて曰く、かくの如し) 若一切法如幻相者((維摩詰言わく)もし一切の法、幻の相の如くんば) 云何問言(云何が問うて言わく)

汝於何沒(汝、何に於いて没し) 而來生此(来たりて、ここに生ずるや)

舍利弗舍利弗 沒者為 虛誑法 沒とは虚誑法の 敗壞之相敗壊の相たり

生者為虛誑法生とは虚誑法の 相續之相相続の相たり

菩薩雖沒(菩薩は没するといえども) 不盡善本(善本を尽くさず)

雖生(生ずといえども) 不長諸惡(諸悪を長ぜず)

是時佛告舍利弗(この時、仏、舍利弗に告げたまわく)

有國名妙喜(国有り、妙喜と名ずけ) 佛號 無動 仏は無動と号す

是維摩詰(この維摩詰) 於彼國沒(彼の国に於いて没し) 而來生此(来たりて、ここに生ず)

舍利弗言(舍利弗言わく) 未曾有也(未曽有なり)

世尊(世尊) 是人乃能捨清淨土(この人、すなわちよく清浄の土を捨て) 而來樂此多怒害處(来たりて、この怒害(ぬがい)多き処を楽(ねが)うこと)

維摩詰語舍利弗(維摩詰、舍利弗に語らく)

於意云何(意に於いて云何) 日光出時(日光出づる時) 與冥合乎(冥(冥闇)と合するや)

答曰(答えて曰く)

不也(不(いな)なり) 日光出時(日光出づる時は) 即無眾冥(すなわち衆(もろもろ)の冥無し)

維摩詰言(維摩詰言わく)

夫日何故(それ、日は何が故に) 行閻浮提(閻浮堤(えんぶだい)を行く)

答曰(答えて曰く)

欲以明照為之除冥(明を以って照らし、これが為に冥を除かんと欲すればなり)

維摩詰言(維摩詰言わく)

菩薩如是(菩薩もかくの如く) 雖生不淨佛土(不浄の仏土に生ずといえども) 為化眾生故(衆生を化せんが為の故にて) 不與 愚闇 而共合也(愚闇(あんぐ)と共に合せず) 但滅眾生煩惱闇耳(ただ衆生の煩悩の闇を滅するのみ)

是時大眾渴仰(この時、大衆渇仰(かつごう、渇望)して)

欲見妙喜世界無動如來及其菩薩聲聞之眾(妙喜世界の無動如来、及びその菩薩声聞の衆を見んと欲す)

佛知一切眾會所念(仏、一切の衆会の所念を知り) 告維摩詰言(維摩詰に告げて言たまわく)

善男子(善男子) 為此眾會(この衆会の為に) 現妙喜國無動如來(妙喜国の無動如来)

及諸菩薩聲聞之眾(及び諸の菩薩声聞の衆を現ぜよ)

眾皆欲見(衆は皆見んと欲す)

於是維摩詰心念(ここに於いて維摩詰、心に念ずらく)

吾當不起(吾、まさに座を起たずして) 于座接妙喜國鐵圍(妙喜国の鉄囲(てっち)) 山川溪谷江河(山川、渓谷、江河)

大海泉源須彌諸山(大海、泉源、須弥、諸山) 及日月星宿(及び日月星宿) 天龍鬼神梵天等宮(天龍、鬼神、梵天等の宮)

并諸菩薩聲聞之眾(ならびに諸の菩薩声聞の衆) 城邑聚落(城邑(じょうゆう)聚落(じゅらく)) 男女大小(男女の大小)

乃至無動如來(乃至(ないし)無動如来) 及菩提樹(及び菩提樹) 諸妙蓮華(諸の妙蓮華の) 能於十方(よく十方に於いて)

作佛事者(仏事を作す者に接すべし)

三道寶階(三道の宝階(階段)ありて) 從閻浮提(閻浮堤より) 至忉利天(忉利天(とうりてん)に至る)

以此寶階(この宝階を以って) 諸天來下(諸天来たりて下り)

悉為禮敬無動如來(悉く無動如来に礼敬し) 聽受經法(経法を聴受することを為す)

閻浮提人(閻浮堤の人も) 亦登其階(またその階を登り)

上昇忉利(忉利(天)に上昇して) 見彼諸天(彼(かしこ)の諸天に見(まみ)ゆ)

妙喜世界(妙喜世界は) 成就如是無量功德(かくの如き無量の功徳を成就せり)

上至阿迦膩吒天(上は阿迦膩咤天(あかにだてん)に至り) 下至水際(下は水際に至るまで)

以右手斷取(右手を以って断ち取ること) 如陶家輪(陶家の輪(ろくろ)の如く)

入此世界(この世界に入ること) 猶持 華鬘 (なお華鬘(けまん)のごとくにして) 示一切眾(一切の衆に示すべし)

作是念已(この念を作しおわりて) 入於三昧(三昧に入りて)

現神通力(神通力を現し) 以其右手(その右手を以って)

斷取妙喜世界(妙喜世界を断ち取り) 置於此土(この土に置く)

彼得神通菩薩(彼(かしこ)の神通を得たる菩薩) 及聲聞眾并餘天人(及び声聞衆、ならびに余の天人倶に) 俱發聲言(声を発して言わく)

唯然世尊(唯(ゆい)、然り(しかり)世尊) 誰取我去(誰か我を取り去る)

願見救護(願わくは救護(くご)せられよ)

無動佛言(無動仏言わく) 非我所為(我が所為に非ず)

是維摩詰神力所作(これ維摩詰が神力の作す所なり)

其餘未得神通者(その余の未だ神通を得ざる者は) 不覺不知己之所往(己の往く所(こと)を覚えず知らず)

妙喜世界(妙喜世界は) 雖入此 (この土に入るといえども) 而不增減(増減せず)

於是世界(この(妙喜)世界に於いても) 亦不迫隘(また迫隘(はくあい)せざること) 如本無異(本の如くにて異なり無し)

爾時釋迦牟尼佛(その時、釈迦牟尼仏) 告諸大眾(諸の大衆に告げたまわく)

汝等且觀妙喜世界無動如(汝等、且く妙喜世界の無動如来と) 來其國嚴飾(その国の厳飾(ごんじき)と)

菩薩行淨(菩薩の行浄く) 弟子 清白 (弟子の清白なることを観よ)

皆曰(皆曰く) 唯然已見(唯、然り、すでに見る)

佛言(仏言たまわく) 若菩薩欲得如是清淨佛土(もし菩薩、かくの如き清浄の仏土を得んと欲せば) 當學無動如來所行之道(まさに無動如来の行ずる所の道を学ぶべし)

現此妙喜國時(この妙喜国現る時) 娑婆世界(娑婆世界の) 十四那由他人(十四那由他(凡そ十億)の人)

發阿耨多羅三藐三菩提心(阿耨多羅三藐三菩提心を発して) 皆願生於妙喜佛土(皆妙喜仏土に生ぜんと願う)

釋迦牟尼佛(釈迦牟尼仏) 即記之曰(すなわちこれを記(き)して曰(の)たまわく)

當生彼國(まさに彼の国に生ずべし)

時妙喜世界(時に妙喜世界) 於此國土(この(娑婆)国土に於いて)

所應饒益(まさに饒益(にょうやく)すべき所の) 其事訖已(その事すでに訖(おわ)りて)

還復本處(還りて本処に復すれば) 舉眾皆見(衆を挙(こぞ)りて皆見たてまつる)

佛告舍利弗(仏、舍利弗に告げたまわく)

汝見此妙喜世界(汝、この妙喜世界) 及無動佛不(および無動仏を見しや不や) 唯然已見(唯、然り、已に見たてまつる)

世尊(世尊) 願使一切眾生(願わくは、一切の衆生をして)

得清淨土(清浄の土を得ること) 如無動佛(無動仏の如く)

獲神通力(神通力を獲(う)ること) 如維摩詰(維摩詰の如くならしめたまわんことを)

世尊(世尊) 我等快得善利(我等は、快く善利(善妙の利益)を得)

得見是人(この人(維摩詰)を見て) 親近供養(親近(しんごん)し供養することを得)

其諸眾生(それ、諸の衆生) 若今現在(もしは今現在) 若佛滅後(もしは仏の滅後に)

聞此經者(この経を聞く者も) 亦得善利(また善利を得ん)

況復聞已(況(いわん)や、また聞きおわりて) 信解受持讀誦解說(信解し、受持し、読誦し、解説し) 如法修行(法の如くに修行せんをや)

若有手得是經典者(もし手にこの経典を得る者有らば) 便為已得法寶之藏(すなわちすでに法宝の蔵を得と為す)

若有讀誦(もし読誦し) 解釋其義(その義を解釈し) 如說修行(説の如く修行するもの有らば) 即為諸佛之所護念(すなわち諸仏の護念したもう所と為す)

其有供養如是人者(それ、かく(維摩詰)の如き人を供養する者有らば) 當知即為供養於佛(まさに知るべし、すなわち仏を供養すと為すことを)

其有書持此經卷者(それ、この経巻を書き持する者有らば) 當知其室(まさに知るべし、その室に) 即有如來(すなわち如来有(ま)しますことを)

若聞是經(もし、この経を聞きて) 能隨喜者(よく随喜せん者は) 斯人即為(この人は、すなわち) 取一切智(一切智を取ると為すことを)

若能信解此經乃至一四句偈為他說者(もし、この経の、乃至一つの四句の偈だにも、よく信解して他の為に説かん者は)

當知此人(まさに知るべし、この人は) 即是受阿耨多羅三藐三菩提記(すなわちこれ阿耨多羅三藐三菩提の記を受くることを)


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