維摩経(ゆいまぎょう)

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維摩経(ゆいまぎょう) (巻下之第二)

法供養品(ほうくようぼん) 第十三(だいじゅうさん)


爾時釋提桓因(その時、釈提桓因が) 於大眾中(大衆の中に於いて) 白佛言(仏に白して言さく)

世尊(世尊) 我雖從佛及文殊師利(我は、仏及び文殊師利従り) 聞百千經(百千の経を聞くといえども) 未曾聞此不可思議(未だかつてこの不可思議なる) 自在神通(自在神通にて) 決定實相經典(実相を決定することの経典を聞かざりき)

如我解佛(我が解する仏の) 所說義趣(説きたもう所の義趣の如きは) 若有眾生(もし有る衆生) 聞是經法(この経法を聞きて) 信解受持(信解し受持し) 讀誦之者(読誦せば) 必得是法不疑(必ずこの法を得んこと疑わじ) 何況如說修行(何をか況や、説の如くに修行せんをや)

斯人即為(この人は、すなわち) 閉眾 惡趣 (衆の悪趣を閉ざし) 開諸善門(諸の善門を開くと為し) 常為諸佛之所護念(常に諸仏に護念せられ) 降伏 外學 (外學を降伏(ごうぶく)し) 摧滅 魔怨 (魔怨を摧滅(さいめつ)し) 修治菩提(菩提を修治し) 安處道場(道場に安処し) 履踐 如來所行之跡(如来の所行の跡を履践すると為す)

世尊(世尊) 若有受持讀誦如說修行者(もし受持し読誦し説の如くに修行する者有らば) 我當與諸眷屬(我、まさに諸の眷属とともに) 供養給事(供養し給事すべし)

所在聚落(在らゆる聚落) 城邑山林曠野(城邑、山林、曠野の) 有是經處(この経を有る処には)

我亦與諸眷屬(我も、また諸の眷属と) 聽受法故(法を聴受せん(為の)が故に) 共到其所(共にその所に到り) 其未信者(その未だ信ぜざる者には) 當令生信(まさに信を生ぜしむべく) 其已信者(そのすでに信ずる者には) 當為作護(まさに為に護(擁護)を作すべし)

佛言(仏言たまわく) 善哉善哉(善哉善哉) 天帝(天帝) 如汝所說(汝が所説の如くんば) 吾助爾喜(吾、爾(なんじ)を助けて喜ばしめん)

此經(この経は) 廣說過去未來現在(広く過去未来現在の) 諸佛不可思議(諸仏の不可思議の) 阿耨多羅三藐三菩提(阿耨多羅三藐三菩提を説く)

是故天帝(この故に、天帝) 若善男子善女人(もし善男子、善女人) 受持讀誦供養是經者(この経を受持し読誦し供養せん者は) 即為供養去來今佛(即ち去来今の仏を供養すると為す)

天帝(天帝) 正使三千大千世界(まさに三千大千世界をして) 如來滿中(如来を中に満しむること) 譬如甘蔗竹韋稻麻叢林(譬えば甘蔗、竹葦、稲麻、叢林の如くならしめ) 若有善男子善女人(もし善男子善女人有りて) 或一劫(或いは一劫) 減一劫 (或いは減一劫) 恭敬尊重(恭敬し尊重し) 讚歎供養(讃嘆し供養し) 奉諸 (諸の安ずる所を奉り) 至諸佛滅後(諸仏の滅後に至りては) 以一一全身舍利(一々の全身の舎利を以って) 起七寶塔(七宝の塔を起て) 縱廣四天下 (縦広は一四天下) 高至梵天(高さは梵天に至り) 莊嚴(表刹荘厳し) 以一切華香(一切の華香) 瓔珞幢幡伎樂(瓔珞、幢幡、伎楽の) 微妙第一(微妙なること第一を以って) 若一劫若減一劫(もしは一劫、もしは減一劫) 而供養之(これを供養するは) 於天帝意云何(天帝が意に於いて云何) 其人植福(その人は福を植うること) 寧為多不(むしろ多しと為すや不や)

釋提桓因言(釈提桓因(しゃくだいかんいん)言わく) 多矣世尊(多しや、世尊) 彼之福德(彼の福徳は) 若以百千億劫(もし百千億劫を以って説くとも) 說不能盡(尽くすこと能わじ)

佛告天帝(仏、天帝に告げたまわく) 當知是善男子善女人(まさに知るべし、この善男子善女人) 聞是不可思議解脫經典(この不可思議解脱の経典を聞いて) 信解受持讀誦(信解し受持し読誦し) 修行福多於彼(修行する福は、彼に於いて多きことを)

所以者何(所以(ゆえ)は何(いかん)となれば) 諸佛菩提(諸仏の菩提は) 皆從是生(皆ここ従り生ず)

菩提之相(菩提の相は) 不可限量(限量すべからず)

以是因緣(この因縁を以って) 福不可量(福も量るべからず)

佛告天帝(仏、天帝に告げたまわく) 過去 無量阿僧祇劫(過去、無量阿僧祇劫の時) 世有佛號曰(世に仏有り、号して) 藥王如來(薬王如来) 應供 (応供) 正遍知 (正遍知) 明行足 (明行足) 善逝 (善逝) 世間解 (世間解) 無上士 (無上士) 調御丈夫 (調御丈夫) 天人師 (天人師) () 世尊 (世尊と曰い) 世界名大莊嚴(世界を大荘厳と名づけ) 曰莊嚴(劫を荘厳と曰う) 二十 小劫 (仏の寿は二十小劫なり)

其聲聞僧 三十六億那由他 (その声聞僧は三十六億那由他)

菩薩僧有十二億(菩薩僧は十二億有り)

天帝(天帝) 是時有 轉輪聖王 (この時、転輪聖王有り) 名曰 寶蓋 (名づけて宝蓋と曰う)

七寶具足(七宝具足し) 主四天下(四天下に主たり)

王有千子(王に千子有り) 端正 勇健 (端正勇健にて) 能伏怨敵(よく怨敵を伏す)

爾時(その時) 寶蓋與其眷屬(宝蓋その眷属とともに) 供養藥王如來(薬王如来を供養し) 施諸所安(諸の安ずる所を施して) 至滿五劫(満五劫に至る)

過五劫已(五劫を過ぎおわりて) 告其千子(その千子に告ぐらく) 汝等亦當(汝等もまたまさに) 如我(我が如く) 以深心(深心以って) 供養於佛(仏を供養すべし)

於是千子受父王命(ここに於いて、千子、父王の命を受け) 供養藥王如來(薬王如来を供養し) 復滿五劫(また満五劫) 一切施安(一切を施して(仏を)安んず)

其王一子(その王の一子) 名曰月蓋(名づけて月蓋(がつがい)と曰う)

獨坐思惟(独り坐して思惟すらく) 寧有供養(寧(いづく)んぞ供養して) 殊過此者(殊にこれに過る者有らんや)

以佛神力(仏の神力を以って) 空中有天曰(空中に天有りて曰く)

善男子(善男子) 法之供養(法の供養は) 勝諸供養(諸の供養に勝る)

即問(すなわち問わく) 何謂法之供養(何をか法の供養と謂う)

天曰(天曰く) 汝可往問藥王如來(汝、往きて薬王如来に問うべし)

當廣為汝(まさに広く(詳らかに)汝が為に) 說法之供養(法の供養を説きたもうべし)

即時(即時に) 月蓋王子(月蓋王子) 行詣藥王如來(行きて薬王如来に詣(いた)り)

稽首佛足(仏の足に稽首(けいしゅ)して)

卻住一面(却(しりぞ)きて(壁の)一面に住し) 白佛言(仏に白して言さく)

世尊(世尊) 諸供養中(諸の供養の中に) 法供養勝(法の供養勝るとは) 云何為法供養(云何なるをか法の供養と為す)

佛言(仏言たまわく) 善男子(善男子) 法供養者(法の供養とは) 諸佛所說(諸仏所説の) 深經(深き経は) 一切世間(一切の世間には) 難信難受(信じ難く受け難く) 微妙難見(微妙にして見難く) 清淨無染(清浄にして染無く) 非但分別思惟之所能得(ただ分別思惟のみしてよく得る所に非ず)

菩薩法藏所攝(菩薩の法蔵の所摂(しょしょう)にして)

陀羅尼印印之(陀羅尼(だらに)の印もてこれを封印し)

至不退轉(不退転(の位)に至りて)

成就 六度 (六度を成就し)

善分別義(善く義を分別して) 順菩提法(菩提の法(菩薩の法)に順(したが)う)

眾經之上(衆経の上にして) 入大慈悲(大慈悲に入り)

離眾魔事及諸邪見(衆の魔事、及び諸の邪見を離る)

順因緣法(因縁(十二因縁)の法に順いて) 無我無人(我無く人無く) 無眾生(衆生無く) 無壽命(寿命無し)

空無相(空、無相) 無作無起(無作、無起にして) 能令眾生(よく衆生をして) 坐於道場(道場に坐して) 而轉法輪(法輪を転ぜしめ)

諸天龍神(諸天、龍神) 乾闥婆等(乾闥婆(けんだつば、楽神)等の) 所共歎譽(共に歎誉する所なり)

能令眾生(よく衆生をして) 入佛法藏(仏の法蔵に入らしめ)

攝諸賢聖一切智慧(諸の賢聖の一切の智慧を摂(おさ)め)

說眾菩薩(衆の菩薩の) 所行之道(所行の道を説く)

依於諸法實相之義(諸法の実相の義に依りて) 明宣無常苦空(明らかに無常、苦、空) 無我寂滅之法(無我寂滅の法を宣べ)

能救一切毀禁眾生(よく一切の毀禁(ききん、犯戒)の衆生を救い) 諸魔外道(諸魔、外道) 及貪著者(および貪著する者をして) 能使怖畏(よく怖畏せしむ) 諸佛賢聖(諸仏、賢聖の) 所共稱歎(共に称嘆する所なり)

背生死苦(生死の苦に背きて) 示涅槃樂(涅槃の楽を示す) 十方三世(十方三世の) 諸佛所說(諸仏の所説なり)

若聞如是等經(もし、かくの如き等の経を聞き) 信解受持讀誦(信解し受持し読誦し)

以方便力(方便力を以って) 為諸眾生(諸の衆生の為に) 分別解說(分別し解説し) 顯示分明(分明にせば)

守護法故(法を守護するが故に) 是名法之供養(これを法の供養と名づく)

又於諸法(また、諸法に於いて) 如說修行(説の如くに修行し)

隨順十二因緣(十二因縁に隨順して) 離諸邪見(諸の邪見を離れ) 得無生忍(無生忍を得て)

決定無我無有眾生(我無く衆生も有ること無しと決定し) 而於因緣果報(しかも因縁果報(の理)に於いて) 無違無諍(違うこと無く諍うこと無く) 離諸 我所 (諸の我所(がしょ)を離る)

依於義(義に依りて) 不依語(語に依らず)

依於智(智に依りて) 不依識(識に依らず)

依了義經(義を了(明了)にする経に依りて) 不依不了義經(義を了にせざる経に依らず)

依於法(法に依りて) 不依人(人に依らず)

隨順法相(法相(諸法の実相)に隨順して) 無所入無所歸(入る所(サトリ)無く帰順する所無し)

無明畢竟滅故(無明は畢竟(ひっきょう)寂滅なるが故に) 諸行亦畢竟滅(諸行もまた畢竟滅なり)

乃至生畢竟滅故(乃至生は畢竟滅なるが故に) 老死亦畢竟滅(老死もまた畢竟滅なり)

作如是觀(かくの如き観を作して) 十二因緣無有盡相(十二因縁は尽相有ること無く) 不復起見(また見(邪見)を起こさず) 是名最上法之供養(これを最上の法の供養と名づく)

佛告天帝(仏、天帝に告げたまわく) 王子月(王子月蓋) 蓋從藥王佛(薬王仏より) 聞如是法(かくの如き法を聞いて) 得柔順忍(柔順忍を得) 即解寶衣嚴身之具(即ち宝衣と身を厳(かざ)る具を解き) 以供養佛(以って仏に供養し)

白佛言(仏に白して言さく) 世尊(世尊) 如來滅後(如来の滅後に) 我當行法供養(我、まさに法の供養を行じ) 守護正法(正法を守護すべし)

願以 威神 願わくは、威神を以って 加哀 建立 哀れみを加えて建立し 令我得降魔怨(我をして魔怨を降し得て) 修菩薩行(菩薩行を修せしめたまわんことを)

佛知其深心所念(仏、その深き心の念ずる所を知り) 而記之曰(これに記して曰わく)

汝於末後(汝、末後(まつご、後世)に於いて) 守護法城(法城を守護すべし)

天帝(天帝) 時王子月蓋(時に王子月蓋) 見法清淨(法の清浄なるを見) 聞佛授記(仏の授記を聞き) 以信出家(信を以って出家し) 修集善法(善法(ぜんぽう)を修め集めて) 精進不久(精進すること久しからずして) 五神通 五神通を得

逮菩薩道菩薩の道を逮(おいもと)め 陀羅尼 陀羅尼と 無斷辯才無断の辯才を得たり

於佛滅後(仏の滅後に於いては) 以其所得神通總持辯才之力(その得たる所の神通と総持と辯才の力を以って) 滿十小劫(満十小劫のあいだ) 藥王如來(薬王如来の) 所轉法輪隨而分布(転じたもう所の法輪に随い分布す)

月蓋比丘(月蓋比丘) 以守護法勤行精進(法を守護し勤行し精進するを以って)

即於此身(すなわちこの身に於いて) 化百萬億人(百万億人を化(化導)し)

於阿耨多羅三藐三菩提(阿耨多羅三藐三菩提に於いて) 立不退轉(不退転に立つ)

十四那由他人(十四那由他(なゆた、十億)の人は) 深發聲聞辟支佛心(深く声聞辟支仏の心を発し)

無量眾生(無量の衆生は) 得生天上(天上に生ずることを得たり)

天帝(天帝) 時王寶蓋(時の王、宝蓋とは) 豈異人乎(あに異人ならんや)

今現得佛(今現に仏を得て) 號寶炎如來(宝炎如来と号し) 其王千子(その王の千子とは) 即賢劫中(すなわち賢劫(けんごう)の中の) 千佛是也(千仏、これなり)

從迦羅鳩孫駄為始得佛(迦羅鳩孫駄(からくそんだ)始めて仏を得て従り) 最後如來(最後の如来を) 號曰樓至(号して楼至(るし)と曰う)

月蓋比丘(月蓋比丘とは) 即我身是(即ち我が身(釈迦牟尼仏)これなり)

如是天帝(かくの如し、天帝) 當知此要(まさにこの要を知るべし)

以法供養(法の供養を以って) 於諸供養為上(諸の供養に於いて上と為し) 為最第一無比(最も第一無比と為す)

是故天帝(この故に天帝) 當以法之供養(まさに法の供養を以って) 供養於佛(仏を供養すべし)


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