最下欄に、妙法蓮華経の漢訳の横に、訓訳を表示しました。
キーボードのCtrl(コントロール・キー)を押しながら+(プラス・キー)を押す、
又は Ctrl(コントロール・キー)を押しながらー(マイナス・キー)を押すと、
文字の大きさと、漢訳と訓訳の行のズレを変えることができます。
左のボタンをクリックすると、Youtubeの読経が始まります。
爾時宿王華菩薩白仏言。
世尊。薬王菩薩。云何遊於娑婆世界。
世尊。是薬王菩薩。有若干百千万億那由他難行苦行。
善哉世尊。願少解説。
諸天龍神夜叉乾闥婆阿修羅迦樓羅
緊那羅摩羅伽人非人等。
又他国土諸来菩薩。及此聲聞衆。聞皆歓喜。
爾時仏告宿王華菩薩。
乃往過去無量恆河沙劫有仏。
號日月浄明徳如来応供正徧知明行足善逝世間解
無上士調御丈夫天人師仏世尊。
其仏有八十億大菩薩摩訶薩。七十二恆河沙大聲聞衆。
仏寿四万二千劫菩薩寿命亦等。
彼国無有女人地獄餓鬼畜生阿修羅等及以諸難。
地平如掌琉璃所成。
宝樹荘厳。宝帳覆上。垂宝華幡。宝瓶香爐周遍国界。
七宝為臺。一樹一臺。
其樹去臺尽一箭道。
此諸宝樹。皆有菩薩聲聞而坐其下。
諸宝臺上。各有百億諸天作天伎楽。歌歎於仏以為供養。
爾時彼仏。為一切衆生憙見菩薩及衆菩薩諸聲聞衆。説法華経。
是一切衆生憙見菩薩楽習苦行。
於日月浄明徳仏法中。
精進経行一心求仏。満万二千歳已。
得現一切色身三昧。
得此三昧已心大歓喜。即作念言。
我得現一切色身三昧。
皆是得聞法華経力。
我今当供養日月浄明徳仏及法華経。
即時入是三昧。於虚空中
雨曼陀羅華摩訶曼陀羅華。細末堅黒栴檀。
満虚空中如雲而下。
又雨海此岸栴檀之香
此香六銖。價直娑婆世界。以供養仏。
作是供養已。從三昧起。而自念言。
我雖以神力供養於仏。不如以身供養。
即服諸香。栴檀。薫陸。兜樓婆。畢力迦。沈水。謬香。
又飮瞻蔔諸華香油。
満千二百歳已。香油塗身。
於日月浄明徳仏前。
以天宝衣而自纏身。
潅諸香油。以神通力願。
而自然身。光明遍照八十億恆河沙世界。
其中諸仏同時讃言。
善哉善哉。善男子。
是眞精進。是名眞法供養如来。
若以華香瓔珞焼香末香塗香天幡蓋
及海此岸栴檀之香。如是等種種諸物供養。所不能及。
假使国城妻子布施亦所不及。
善男子。是名第一之施。
於諸施中最尊最上。
以法供養諸如来故。
作是語已而各默然。
其身火燃千二百歳。
過是已後其身乃尽。
一切衆生憙見菩薩。作如是法供養已。
命終之後。復生日月浄明徳仏国中。於浄徳王家。
結加趺坐忽然化生。即為其父。而説偈言。
大王今当知。我経行彼処。
即時得一切。現諸身三昧。懃行大精進。捨所愛之身。供養於世尊。為求無上慧。
説是偈已。而白父言。
日月浄明徳仏。今故現在。
我先供養仏已。得解一切衆生語言陀羅尼。
復聞是法華経。八百千万億那由他。甄迦羅。
頻婆羅。阿婆等偈。
大王。我今当還供養此仏。
白已即坐七宝之臺。上昇虚空高七多羅樹。往到仏所
頭面禮足合十指爪。以偈讃仏。
容顏甚奇妙。光明照十方。
我適曾供養。今復還親覲
爾時一切衆生憙見菩薩。説是偈已。而白仏言。
世尊。世尊猶故在世。
爾時日月浄明徳仏告一切衆生憙見菩薩。
善男子。我涅槃時到。滅尽時至。
汝可安施床座。我於今夜当般涅槃。
又勅一切衆生憙見菩薩。
善男子。我以仏法囑累於汝。
及諸菩薩大弟子。并阿耨多羅三藐三菩提法。
亦以三千大千七宝世界。諸宝樹宝臺。
及給侍諸天。悉付於汝。
我滅度後所有舍利。亦付囑汝。
当令流布広設供養。
応起若干千塔。
如是日月浄明徳仏。勅一切衆生憙見菩薩已。
於夜後分入於涅槃。
爾時一切衆生憙見菩薩。
見仏滅度悲感懊悩恋慕於仏。
即以海此岸栴檀為積。供養仏身。
而以焼之。
火滅已後。收取舍利。作八万四千宝瓶。
以起八万四千塔。高三世界。
表刹荘厳。垂諸幡蓋懸衆宝鈴。
爾時一切衆生憙見菩薩。復自念言。
我雖作是供養心猶未足。
我今当更供養舍利。
便語諸菩薩大弟子。及天龍夜叉等一切大衆。
汝等当一心念。我今供養日月浄明徳仏舍利。
作是語已。即於八万四千塔前。
然百福荘厳臂。七万二千歳而以供養。
令無数求聲聞衆無量阿僧祇人発阿耨多羅三藐三菩提心。
皆使得住現一切色身三昧。
爾時諸菩薩天人阿修羅等。見其無臂憂悩悲哀。而作是言。
此一切衆生憙見菩薩。是我等師。教化我者。
而今焼臂身不具足。
于時一切衆生憙見菩薩。於大衆中立此誓言。
我捨兩臂。必当得仏金色之身。
若実不虚。令我兩臂還復如故。
作是誓已自然還復。由斯菩薩福徳智慧淳厚所致。
当爾之時。三千大千世界六種震動。
天雨宝華。一切人天得未曾有。
仏告宿王華菩薩。
於汝意云何。
一切衆生憙見菩薩。豈異人乎。
今薬王菩薩是也。
其所捨身布施如是。無量百千万億那由他数。
宿王華。若有発心欲得阿耨多羅三藐三菩提者。
能燃手指乃至足一指供養仏塔。勝以国城妻子
及三千大千国土山林河池諸珍宝物而供養者。
若復有人。以七宝満三千大千世界。供養於仏及大菩薩辟支仏阿羅漢。
是人所得功徳。不如受持此法華経。
乃至一四句偈其福最多。
宿王華。譬如一切川流江河諸水之中。
海為第一。此法華経亦復如是。
於諸如来所説経中。最為深大。
又如土山黒山。小鐵圍山。大鐵圍山。及十宝山。衆山之。
中須弥山為第一。此法華経亦復如是。
於諸経中最為其上。
又如衆星之中。月天子最為第一。此法華経亦復如是。
於千万億種諸経法中。最為照明。
又如日天子能除諸闇。此経亦復如是。
能破一切不善之闇。
又如諸小王中。轉輪聖王最為第一。此経亦復如是。
於衆経中最為其尊。
又如帝釈。於三十三天中王。此経亦復如是。
諸経中王。
又如大梵天王。一切衆生之父。此経亦復如是。
一切賢聖學無學。及発菩薩心者之父。
又如一切凡夫人中。須陀斯陀含
阿那含阿羅漢辟支仏為第一。此経亦復如是。
一切如来所説。若菩薩所説。若聲聞所説。
諸経法中最為第一。
有能受持是経典者。亦復如是。
於一切衆生中亦為第一。
一切聲聞辟支仏中菩薩為第一。此経亦復如是。
於一切諸経法中最為第一。
如仏為諸法王。此経亦復如是。
諸経中王。
宿王華。此経能救一切衆生者。
此経能令一切衆生離諸苦悩。
此経能大饒益一切衆生。充満其願。
如清涼池。能満一切諸渇乏者。
如寒者得火。如裸者得衣。
如商人得主。如子得母。如渡得船。
如病得医。如暗得燈。如貧得宝。
如民得王。如賈客得海。
如炬除暗。此法華経亦復如是。
能令衆生離一切苦一切病痛。
能解一切生死之縛。
若人得聞此法華経。
若自書。若使人書。
所得功徳。以仏智慧籌量多少不得其辺。
若書是経巻。華香瓔珞。焼香末香塗香。幡蓋
衣服。種種之燈酥燈油燈諸香油燈。瞻蔔油燈。
須曼那油燈。波羅羅油燈。婆利師迦油燈。那婆摩利油燈供養。
所得功徳亦復無量。
宿王華。若有人聞是薬王菩薩本事品者。亦得無量無辺功徳。
若有女人聞是薬王菩薩本事品。能受持者。
尽是女身後不復受。
若如来滅後後五百歳中。
若有女人。聞是経典如説修行。於此命終。
即住安楽世界。阿弥陀仏大菩薩衆圍繞住処。
生蓮華中宝座之上。
不復為貪欲所悩。
亦復不為瞋恚愚癡所悩。亦復不為慢嫉妬諸垢所悩。
得菩薩神通無生法忍。
得是忍已。眼根清浄。
以是清浄眼根。見七百万二千億那由他恆河沙等諸仏如来。
是時諸仏遥共讃言。
善哉善哉。善男子。汝能於釈迦牟尼仏法中。受持讀誦思惟是経為他人説。
所得福徳無量無辺。火不能焼。水不能漂。
汝之功徳千仏共説不能令尽。
汝今已能破諸魔賊壞生死軍。
諸余怨敵。皆悉摧滅。
善男子。百千諸仏以神通力共守護汝。
於一切世間天人之中無如汝者。
唯除如来。其諸聲聞辟支仏
乃至菩薩智慧禪定。無有與汝等者。
宿王華。此菩薩成就如是功徳智慧之力。
若有人聞是薬王菩薩本事品。
能随喜讃善者。是人現世
口中常出青蓮華香。身毛孔中。常出牛頭栴檀之香。
所得功徳如上所説。
是故宿王華。以此薬王菩薩本事品。囑累於汝。
我滅度後後五百歳中。広宣流布於閻浮提無令断絶。
悪魔魔民諸天龍夜叉鳩槃荼等得其便也。
宿王華。汝当以神通之力守護是経。
所以者何。此経則為閻浮提人病之良薬。
若人有病。得聞是経。病即消滅。不老不死。
宿王華。汝若見有受持是経者。
応以青蓮花盛満末香供散其上。
散已作是念言。
此人不久。必当取草坐於道場破諸魔軍。
当吹法螺撃大法鼓。度脱一切衆生老病死海。
是故求仏道者。見有受持是経典人。
応当如是生恭敬心。
説是薬王菩薩本事品時。八万四千菩薩得解一切衆生語言陀羅尼。
多宝如来於宝塔中。讃宿王華菩薩言。
善哉善哉。宿王華。汝成就不可思議功徳。
乃能問釈迦牟尼仏如此之事。利益無量一切衆生。
爾の時に、宿王華(しゅくおうけ)菩薩、仏に白して言さく、
世尊、薬王菩薩は、云何(いかん)がしてか娑婆世界に遊ぶ。
世尊是の薬王菩薩、若干百千万億那由佗の難行苦行有らん。
善い哉世尊、願わくは少し解説したまえ。
諸の天、龍、神、夜叉、乾闥婆、阿修羅、迦楼羅、
緊那羅、摩睺羅迦、人非人等、
又他の国土より諸の来れる菩薩、及び此の声聞衆、聞いて皆歓喜せん。
爾の時に仏、宿王華菩薩に告げたまわく、
乃往過去、無量恒河沙劫に仏有しき。
日月浄明徳如来、応供、正徧知、明行足、善逝、世間解、
無上士、調御丈夫、天人師、仏、世尊と号づけたてまつる。
其の仏に八十億の大菩薩摩訶薩、七十二恒河沙の大声聞衆有り。
仏の寿は四万二千劫、菩薩の寿命も亦等し。
彼の国には、女人、地獄、餓鬼、畜生、阿修羅等、及以諸難有ること無し。
地の平かなること掌の如くにして、瑠璃の所成なり。
宝樹荘厳し、宝帳上に覆い、宝の華旛を垂れ、宝瓶、香炉国界に周徧せり。
七宝を台と為して、一樹に一台あり。
其の樹、台を去ること一箭道を尽くせり。
此の諸の宝樹に、皆菩薩、声聞有って、其の下に坐せり。
諸の宝台の上に、各百億の諸天有って、天の伎楽を作し、仏を歌歎して、以って供養を為す。
爾の時に彼の仏、一切衆生憙見菩薩、及び衆の菩薩、諸の声聞衆の為に法華経を説きたもう。
是の一切衆生憙見菩薩、楽って苦行を習い、
日月浄明徳仏の法の中に於いて、
精進経行して、一心に仏を求むること万二千歳を満じ已って、
現一切色身三昧を得。
此の三昧を得已って、心大いに歓喜して、即ち念言を作さく、
我現一切色身三昧を得たる、
皆是れ法華経を聞くことを得る力なり。
我、今当に日月浄明徳仏、及び法華経を供養すべし。
即時に是の三昧に入って、虚空の中に於いて、
曼陀羅華、摩訶曼陀羅華、細抹堅黒の栴檀を雨し、
虚空の中に満てて、雲の如くにして下し、
又海此岸の栴檀の香を雨す。
此の香の六銖は、価直娑婆世界なり。以って仏に供養す。
是の供養を作し已って、三昧より起って自ら念言すらく、
我神力を以って、仏を供養すと雖も、身を以って供養せんには如かじ。
即ち諸の香栴檀、薫陸、兜楼婆、畢力迦、沈水、膠香を服し、
又瞻蔔、諸の華香油を飲むこと、
千二百歳を満し已って、香油を身に塗り、
日月浄明徳仏の前に於いて、
天の宝衣を以って自ら身に纒い已って、
諸の香油を潅ぎ、神通力の願を以って、
自ら身を然して、光明徧く八十億恒河沙の世界を照らす。
其の中の諸仏、同時に讃めて言わく、
善い哉善い哉善男子、是れ真の精進なり。
是れを真の法をもつて如来を供養すと名づく。
若し華香、瓔珞、焼香、抹香、塗香、天繪、旛蓋、
及び海此岸栴檀の香、是の如き等の種種の諸物を以って供養すとも、及ぶこと能わざる所なり。
假使国城妻子をもって布施すとも、亦及ばざる所なり。
善男子、是れを第一の施と名づく。
諸の施の中に於いて、最尊最上なり。
法を以って諸の如来を供養するが故に。
是の語を作し已りて、各黙然したもう。
其の身の火、然ゆること千二百歳、
是れを過ぎて已後、其の身乃ち尽きぬ。
一切衆生憙見菩薩、是の如き法の供養を作し已って、
命終の後に、復日月浄明徳仏の国の中に生じて、浄徳王の家に於いて、
結跏趺坐して忽然に化生し、則ち其の父の為に、而も偈を説いて言さく、
大王今当に知るべし、我彼の処に経行して、
即時に一切、現諸身三昧を得、大精進を勤行して、所愛の身を捨てにき 世尊を供養するに於いて、無上慧を求む
是の偈を説き已りて、父に白して言さく、
日月浄明徳仏、今故現に在す。
我先に仏を供養し已って、解一切衆生語言陀羅尼を得、
復、是の法華経の八百千万億那由佗甄迦羅、
頻婆羅、阿閦婆等の偈を聞けり。
大王、我、今当に還って此の仏を供養すべしと。
白し已って、即ち七宝の台に坐し、虚空に上昇こと高さ七多羅樹にして、仏所に往到し、
頭面に足を礼し、十の指爪を合わせて、偈を以って仏を讃めたてまつる。
容顔甚だ奇妙にして、光明十方を照らしたもう、
我適曾供養し、今復還って親近したてまつる
爾の時に一切衆生憙見菩薩、是の偈を説き已って、仏に白して言さく、
世尊、世尊猶故世に在す。
爾の時に日月浄明徳仏、一切衆生憙見菩薩に告げたまわく、
善男子、我涅槃の時到り、滅尽の時至りぬ。
汝牀座を安施すべし。我今夜に於いて、当に般涅槃すべし。
又一切衆生憙見菩薩に勅したまわく、
善男子、我仏法を以って汝に嘱累す。
及び諸の菩薩大弟子、並びに阿耨多羅三藐三菩提の法、
亦三千大千の七宝の世界、諸の宝樹、宝台、
及び給侍の諸天を以って、悉く汝に付す。
我が滅度の後の所有の舎利、亦汝に付嘱す。
当に流布せしめ、広く供養を設くべし。
応に若干千の塔を起つべし。
是の如く日月浄明徳仏、一切衆生憙見菩薩に敕し已って、
夜の後分に於いて涅槃に入りたまいぬ。
爾の時に一切衆生憙見菩薩、
仏の滅度を見て悲感懊悩して、仏を恋慕したてまつり、
即ち海此岸の栴檀を以ってツミキと為して、仏身を供養して、
以って之を焼きたてまつる。
火滅えて已後、舎利を収取し、八万四千の宝瓶を作って、
以って八万四千の塔を起つること、三世界より高く、
表刹荘厳して、諸の旛蓋を垂れ、衆の宝鈴を懸けたり。
爾の時に一切衆生憙見菩薩、復自ら念言すらく、
我是の供養を作すと雖も、心猶未だ足らず、
我今当に更舎利を供養すべし。
便ち諸の菩薩、大弟子、及び天、龍、夜叉等の一切の大衆に語らく、
汝等当に一心に念ずべし。我今、日月浄明徳仏の舎利を供養せん。
是の語を作し已って、即ち八万四千の塔の前に於いて、
百福荘厳の臂を然すこと七万二千歳にして、以って供養す。
無数の声聞を求むる衆、無量阿僧祇の人をして、阿耨多羅三藐三菩提の心を発さしめ、
皆、現一切色身三昧に住することを得せしむ。
爾の時に諸の菩薩、天、人、阿修羅等、其の臂無きを見て、憂悩悲哀して是の言を作さく、
此の一切衆生憙見菩薩は、是れ我等が師、我を教化したもう者なり。
而るに今、臂を焼いて身具足したまわず。
時に一切衆生憙見菩薩、大衆の中に於いて、此の誓言を立つ、
我両の臂を捨てて、必ず当に仏の金色の身を得べし。
若し実にして虚しからずんば、我が両の臂をして還復すること、故の如くならしめん。
是の誓を作し已って、自然に還復しぬ。斯の菩薩の、福徳智慧の淳厚なるに由って致す所なり。
爾の時に当たって、三千大千世界六種に震動し、
天より宝華を雨して、一切の天、人、未曾有なることを得。
仏、宿王華菩薩に告げたまわく、
汝が意に於いて云何。
一切衆生憙見菩薩は、豈異人ならんや。
今の薬王菩薩是れなり。
其の身を捨てて布施する所、是の如く無量百千万億那由佗数なり。
宿王華、若し発心して、阿耨多羅三藐三菩提を得んと欲すること有らん者は、
能く手の指、乃至足の一指を然して仏塔に供養せよ。国城、妻子、
及び三千大千国土の山林、河池、諸の珍宝物を以って供養せん者に勝らん。
若し復人有って、七宝を以って三千大千世界を満てて、仏、及び大菩薩、辟支仏、阿羅漢に供養せん。
是の人の所得の功徳も、此の法華経の、
乃至一四句偈を受持する、其の福の最も多きには如かじ。
宿王華、譬えば一切の川流、江河の諸水の中に、
海為れ第一なるが如く、此の法華経も亦復是の如し。
諸の如来の、所説の経の中に於いて、最も為れ深大なり。
又、土山、黒山、小鉄囲山、大鉄囲山、及び十宝山の衆山の中に、
須弥山為れ第一なるが如く、此の法華経も亦復是の如し。
諸経の中に於いて、最も為れ其の上なり。
又、衆星の中に、月天子最も為れ第一なるが如く、此の法華経も亦復是の如し。
千万億種の諸の経法の中に於いて、最も為れ照明なり。
又、日天子の、能く諸の闇を除くが如く、此の経も亦復是の如し。
能く一切の不善の闇を破す。
又、諸の小王の中に、転輪聖王最も為れ第一なるが如く、此の経も亦復是の如し。
衆経の中に於いて、最も為れ其の尊なり。
又、帝釈の、三十三天の中に於いて王なるが如く、此の経も亦復是の如し。
諸経の中の王なり。
又、大梵天王の、一切衆生の父なるが如く、此の経も亦復是の如し。
一切の賢聖、学無学、及び菩薩の心を発す者の父なり。
又、一切の凡夫人の中に、須陀洹(しゅだごん)、斯陀含(しだごん)、
阿那含、阿羅漢、辟支仏、為れ第一なるが如く、此の経も亦復是の如し。
一切の如来の所説、若しは菩薩の所説、若しは声聞の所説、
諸の経法の中に最も為れ第一なり。
能く是の経典を受持すること有らん者も、亦復是の如し。
一切衆生の中に於いて、亦為れ第一なり。
一切の声聞、辟支仏の中に、菩薩為れ第一なり、此の経も亦復是の如し。
一切の諸の経法の中に於いて、最も為れ第一なり。
仏は為れ諸法の王なるが如く此の経も亦復是の如し。
諸経の中の王なり。
宿王華、此の経は能く一切衆生を救いたもう者なり。
此の経は能く一切衆生をして諸の、苦悩を離れしめたもう。
此の経は能く、大いに一切衆生を饒益して、其の願を充満せしめたもう。
清涼の池の、能く一切の諸の渇乏の者に満つるが如く、
寒き者の火を得たるが如く、裸なる者の衣を得たるが如く、
商人の主を得たるが如く、子の母を得たるが如く、渡に船を得たるが如く、
病に医を得たるが如く、暗に燈を得たるが如く、貧しきに宝を得たるが如く、
民の王を得たるが如く、賈客の海を得たるが如く、
炬の暗を除くが如く、此の法華経も亦復是の如し。
能く衆生をして、一切の苦、一切の病痛を離れ、
能く一切の生死の縛を解かしめたもう。
若し人、此の法華経を聞くことを得て、
若しは自らも書き、若しは人をして書かしめん。
所得の功徳、仏の智慧を以って多少を籌量すとも、其の辺を得じ。
若し是の経巻を書いて、華香、瓔珞、焼香、抹香、塗香、旛蓋(ばんがい)、
衣服、種種の燈、蘇燈、油燈、諸の香油燈、瞻蔔油燈(せんぼくゆとう)、
須曼那油燈(しゅまんなゆとう)、波羅羅油燈、婆利師迦油燈、那婆摩利油燈をもって供養せん。
所得の功徳亦復無量ならん。
宿王華、若し人有って、是の薬王菩薩本事品を聞かん者は、亦無量無辺の功徳を得ん。
若し女人有って、是の薬王菩薩本事品を聞いて、能く受持せん者は、
是の女身を尽して、後に復受けじ。
若し如来の滅後、後の五百歳の中に、
若し女人有って、是の経典を聞いて、説の如く修行せば、此に於いて命終して、
即ち安楽世界の、阿弥陀仏の大菩薩衆の囲繞せる住処に往いて、
蓮華の中の宝座の上に生ぜん。
復貪欲に悩されじ。
亦復瞋恚、愚癡に悩されじ。亦復憍慢、嫉妬、諸垢に悩されじ。
菩薩の神通無生法忍を得ん。
是の忍を得已って、眼根清浄ならん。
是の清浄の眼根を以って、七百万二千億那由佗恒河沙等の諸仏如来を見たてまつらん。
是の時に諸仏、遥かに共に讃めて言わく、
善い哉善い哉、善男子、汝能く釈迦牟尼仏の法の中に於いて、是の経を受持し、読誦し、思惟し、他人の為に説けり。
所得の福徳無量無辺なり。火も焼くこと能わず、水も漂すこと能わじ。
汝が功徳は、千仏共に説きたもうとも尽さしむること能わじ。
汝今已に能く諸の魔賊を破し、生死の軍を壞し、
諸余の怨敵皆悉く摧滅せり。
善男子、百千の諸仏、神通力を以って、共に汝を守護したもう。
一切世間の天人の中に於いて、汝に如く者無し。
唯如来を除いて其の諸の声聞、辟支仏、
乃至菩薩の智慧、禅定も、汝と等しき者有ること無けん。
宿王華、此の菩薩は、是の如き功徳智慧の力を成就せり。
若し人有って、是の薬王菩薩本事品を聞いて、
能く随喜して善しと讃ぜば、是の人現世に、
口の中より常に青蓮華の香を出し、身の毛孔の中より、常に牛頭栴檀(ごずせんだん)の香を出さん。
所得の功徳上に説く所の如し。
是の故に宿王華、此の薬王菩薩本事品を以って汝に嘱累す。
我が滅度の後、後の五百歳の中に、閻浮提に広宣流布して、断絶して
悪魔、魔民、諸天、龍、夜叉、鳩槃荼(くはんだ)等に、其の便を得せしむること無かれ。
宿王華、汝当に神通の力を以って、是の経を守護すべし。
所以は何ん。此の経は則ち為れ閻浮提の人の病の良薬なり。
若し人病有らんに、是の経を聞くことを得ば、病則ち消滅して不老不死ならん。、
宿王華、汝若し是の経を受持すること有らん者を見ては、
応に青蓮華を以って抹香を盛満てて、其の上に供散すべし。
散じ已ってこの念言を作すべし。
此の人久しからずして、必ず当に、草を取って道場に坐して、諸の魔軍を破すべし。
当に法の螺を吹き、大法の鼓を撃って、一切衆生の老病死の海を度脱すべし。
是の故に、仏道を求めん者、是の経典を受持すること有らん人を見ては、
応当に、是の如く恭敬の心を生ずべし。
是の薬王菩薩本事品を説きたもう時、八万四千の菩薩、解一切衆生語言陀羅尼を得たり。
多宝如来、宝塔の中に於いて、宿王華菩薩を讃めて言わく、
善い哉善い哉、宿王華、汝不可思議の功徳を成就して、
乃ち能く釈迦牟尼仏に、此の如きの事を問いたてまつりて、無量の一切衆生を利益す。
Copyright ©2025 Matsumura DB Lab. All rights reserved.
お問い合わせメールは、こちらからお願いします。Please contact us !あなたは 0000039469 人目のお客様です。
You connected as No. 0000039469 customer.