徒然草

(0) (10) (20) (30) (40) (50) (60) (70) (80) (90) (100) (110) (120) (130) (140) (150) (160) (170) (180) (190) (200) (201) (202) (203) (204) (205) (206) (207) (208) (209) (210) (211) (212) (213) (214) (215) (216) (217) (218) (219) (220) (221) (222) (223) (224) (225) (226) (227) (228) (229) (230) (240) (241) (242) (243)

徒然草第二百十三段

御前の火炉に火を置く時は(天皇・上皇の御前で火鉢に炭火を入れる時は) 火箸してはさむ事なし(火箸ではさんではならない)

土器(かわらけ)より(土器から) 直ちに移すべし(直接移すべきだ)

されば(なので) 転び落ちぬやうに(転がり落ちないように) 心得て炭を積むべきなり(注意して炭を積むべきだ)

八幡の御幸(ごこう)に供奉(ぐぶ)の人(石清水八幡宮の御幸にお共をした人が)

浄衣(じょうえ)を着て(浄衣を着て) 手にて炭をさされければ(手で炭を入れたところ)

ある有職(ゆうそく)の人(ある故実に詳しい人が)

「白き物を着たる日は(「白い物を着ている日は) 火箸をもちゐる(火箸を使うのは)

くるしからず」と申されけり。(差支えない」と申された)