徒然草

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徒然草第四十段

因幡(いなば)の國に(因幡国(鳥取県)に) 何の入道とかやいふものの女(何とか入道という者の娘が)

かたちよしと聞きて(容姿端麗な美人だと評判になり) 人あまたいひわたりけれども(大勢の男が求婚をしたが)

この娘(この娘は) ただ栗をのみ食ひて(ただ栗ばかり食べ)

更に米(よね)のたぐひを食はざりければ(米・穀物の類を食べなかった)

「かゝる異樣のもの(『このような変わった者は)

人に見(まみ)ゆべきにあらず」とて(よそ様の家の嫁にはやれない』と)

親ゆるさざりけり。(親は結婚を許さなかった)