徒然草

(0) (10) (20) (30) (40) (50) (60) (70) (80) (90) (100) (110) (120) (130) (140) (150) (160) (170) (180) (190) (200) (201) (202) (203) (204) (205) (206) (207) (208) (209) (210) (211) (212) (213) (214) (215) (216) (217) (218) (219) (220) (221) (222) (223) (224) (225) (226) (227) (228) (229) (230) (240) (241) (242) (243)

徒然草第二百十八段

狐は人に食ひつくものなり(狐は人に食いつくものである)

堀川殿にて(堀川殿にて) 舎人（とねり）が寝たる足を狐に食はる(舎人が寝ている足を狐に食われた)

仁和寺にて(仁和寺にて) 夜(夜)

本寺（ほんじ）の前を通る(本堂の前を通る)

下法師（しもほうし）に(下級の僧に)

狐三つ飛びかかりて食ひつきければ(狐が三匹飛びかかって食いついたので)

刀を抜きてこれをふせぐ間(刀を抜いてこれを防ぐ間)

狐二疋（ひき）を突く(狐二匹を突く)

一つは尽き殺しぬ(一匹は突き殺した)

二つは逃げぬ(二匹は逃げて行った)

法師はあまた所食はれながら(法師はあちこち食われながら)

ことゆゑなかりけり。(特にどうという支障は無かった)