徒然草

(0) (10) (20) (30) (40) (50) (60) (70) (80) (90) (100) (110) (120) (130) (140) (150) (160) (170) (171) (172) (173) (174) (175) (176) (177) (178) (179) (180) (181) (182) (183) (184) (185) (186) (187) (188) (189) (190) (191) (192) (193) (194) (195) (196) (197) (198) (199) (200) (210) (220) (230) (240) (241) (242) (243)

徒然草第百八十七段

よろづの道の人(あらゆる道の専門の人は) たとひ不堪(ふかん)なりといへども(たとえ未熟であっても)

堪能(かんのう)の非家(ひか)の人にならぶ時(巧みな専門外の素人と並んだ時) 必ず勝る事は(必ず勝っている事は)

たゆみなく慎みて軽々(かろがろ)しくせぬと(たゆみなく慎重にやって軽々しく行わないのと) ひとへに自由なるとの等しからぬなり(ひたすら好き放題にやることが等しくないということである)

芸能・所作のみにあらず(芸能や所作のみの話ではない) 大方のふるまひ(大方のふるまい)

心づかひも(心配りにおいても) 愚かにして慎めるは(愚鈍であっても慎重にやるのは)

得(とく)の本(もと) なり(成功の元である)

巧みにしてほしきままなるは(巧みでも好き放題にやるのは) 失(しつ)の本(もと)なり。(失敗の元である)