徒然草

(0) (10) (20) (30) (40) (50) (60) (70) (80) (90) (100) (110) (120) (130) (140) (150) (160) (161) (162) (163) (164) (165) (166) (167) (168) (169) (170) (171) (172) (173) (174) (175) (176) (177) (178) (179) (180) (181) (182) (183) (184) (185) (186) (187) (188) (189) (190) (200) (210) (220) (230) (240) (241) (242) (243)

徒然草第百七十三段

小野小町が事(小野小町の事は) きはめてさだかならず(まるではっきりしない)

衰へたるさまは(衰えた様子は) 玉造と言ふ文(ふみ)に見えたり(玉造という書物に見えている)

この文(この書物は) 清行(きよゆき)が書けりといふ説あれど(三善清行が書いたという説があるが)

高野大師(こうやのだいし)の(弘法大師の)

御作(ごさく)の目録に入(い)れり(著作の目録には入っている)

大師は承和(じょうわ)のはじめにかくれ給へり(大師は承和のはじめにお亡くなりになった)

小町が盛りなる事(小町が女ざかりであったのは) その後の事にや(その後のことであろうか)

なほ(やはり) おぼつかなし。(はっきりしない)