徒然草

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徒然草第七十六段

世の覚え花やかなるあたりに(世間の誉れ高く華やかな暮らしをしている人のもとに) 嘆きも喜びもありて(悲しいことも喜ばしいこともあって)

人多く往きとぶらふ中（うち）に(多くの人が訪問している中に) 聖法師（ひじりほうし）の交りて(聖法師が混じって)

いひ入れ佇みたるこそ(取次を頼んでたたずんでいるのは) さらずともと見ゆれ(そんなことせずともと見える)

さるべきゆゑありとも(しかるべき理由があっても) 法師は人にうとくてありなん。(法師は世間の人から遠ざかっていてほしいものだ)