徒然草

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徒然草第百三段

大覺寺殿にて(後宇多法皇の御所で) 近習の人ども(法皇側近の者たちが)

なぞなぞをつくりて解かれけるところへ(なぞなぞを作って解いていた処に)

醫師(くすし)忠守(典薬頭忠守が) 參りたりけるに(参った所)

侍從大納言公明卿(侍従大納言公明卿が)

「我が朝のものとも(「わが国のものとも) 見えぬ忠守かな」(見えない忠守だなあ」と)

となぞなぞにせられたりけるを(なぞなぞにしたのを)

「唐瓶子」と解きて(「唐瓶子(からへいし・中国製の酒とっくり)」と解いて)

笑ひあはれければ(笑いあったので)

腹立ちて退(まか)り出にけり。(忠守は怒って出て行ってしまった)