徒然草

(0) (10) (20) (30) (40) (50) (60) (70) (80) (81) (82) (83) (84) (85) (86) (87) (88) (89) (90) (91) (92) (93) (94) (95) (96) (97) (98) (99) (100) (101) (102) (103) (104) (105) (106) (107) (108) (109) (110) (120) (130) (140) (150) (160) (170) (180) (190) (200) (210) (220) (230) (231) (232) (233) (234) (235) (236) (237) (238) (239) (240) (241) (242) (243)

徒然草第九十四段

常磐井相國(常盤井相国が) 出仕したまひけるに(出仕された時に)

敕書を持ちたる北面あひ奉りて(勅書を持った北面が相国にお会いして)

馬よりおりたりけるを(馬から下りたのを)

相國(相国) 後に(後に) 「北面なにがしは(「北面なにがしは)

敕書を持ちながら下馬し侍りし者なり(勅書を持ったまま下馬しました者です)

かほどの者(このような者が) いかでか(どうして)

君に仕うまつり候ふべき」(君にお仕えできましょうか」)

と申されければ(と申されたので)

北面を放たれにけり(北面をクビにした)

勅書を馬の上ながら(勅書を馬の上に乗ったまま)

捧げて見せ奉るべし(捧げてお見せするべきだったのだ)

下るべからずとぞ。(下りるべきではなかった)