徒然草

元に戻る 新着の囲碁棋譜

(0) (10) (20) (31) (32) (33) (34) (35) (36) (37) (38) (39) (40) (41) (42) (43) (44) (45) (46) (47) (48) (49) (50) (51) (52) (53) (54) (55) (56) (57) (58) (59) (60) (70) (80) (90) (100) (110) (120) (130) (140) (150) (160) (170) (180) (190) (200) (210) (220) (230) (231) (232) (233) (234) (235) (236) (237) (238) (239) (240) (241) (242) (243)


徒然草 第四十九段



老來りて(年老いてから) 始めて道を行ぜんと待つ事勿れ(初めて仏道修行をしようなどと待っていてはいけない)

古き墳(つか)(古い墓の) 多くはこれ少年の人なり(多くは年若い人の墓なのだ)

はからざるに病をうけて(不慮の病にかかって) 忽ちに(にわかに) この世を去らんとする時にこそ(この世を去ろうとする時に)

はじめて過ぎぬる方の(始めて過ぎてしまった過去の) あやまれる事は知らるなれ。(誤りは思い知るものであるよ)

誤りといふは(誤りというのは) 他の事にあらず(他でもない)

速かにすべき事を緩くし(急いでやるべき事をゆっくりやり) 緩くすべきことを急ぎて(ゆっくりやるべき事を急いで)

過ぎにしことの悔しきなり(過ぎてしまったことの悔しさである)

その時悔ゆとも(その時悔いても) 甲斐あらんや。(どうにもならない)

人はたゞ(人はただ) 無常の身に迫りぬる事を(無常が身に迫っていることを) 心にひしとかけて(心にしっかりと思いかけて)

束の間も忘るまじきなり(つかの間も忘れてはならない)

さらば(そうすれば) などか(どうして) 此の世の濁りもうすく (この世の濁りも薄くなり)

佛道を勤むる心もまめやかならざらん。(仏道を勤める心も誠実にならないことがあろう)

「昔ありける聖は(昔いたという徳の高い僧は) 人来たりて自他の要事をいふとき(人が来てお互いの用事を言う時)

答へて云はく(答えて言うことに) 『今(「今) 火急の事ありて(さしせまった火急の事があって) 既に朝夕(ちょうせき)にせまれり』とて(すでに目の前に迫っている」と言って)

耳をふたぎて念佛して(耳を塞ぎ念仏して) 終に往生を遂げけり」と(ついに往生を遂げた」と)

禪林の十因 に侍(はべ)り。(禅林寺中興の祖の書かれた『往生十因』にございます) 心戒 といひける聖は(心戒という徳の高い僧は)

餘りにこの世のかりそめなることを思ひて(あまりにこの世がはかない事を思って)

靜かについゐける事だになく(しづかに膝をついている時さえなく) 常はうづくまりてのみぞありける。(いつも、うずくまってばかりいたということだ)


(0) (10) (20) (21) (22) (23) (24) (25) (26) (27) (28) (29) (30) (31) (32) (33) (34) (35) (36) (37) (38) (39) (40) (41) (42) (43) (44) (45) (46) (47) (48) (49) (50) (51) (52) (53) (54) (55) (56) (57) (58) (59) (60) (70) (80) (90) (100) (110) (120) (130) (140) (150) (160) (170) (180) (190) (200) (210) (220) (230) (231) (232) (233) (234) (235) (236) (237) (238) (239) (240) (241) (242) (243)


Copyright ©2025 Matsumura DB Lab. All rights reserved.

お問い合わせメールは、こちらからお願いします。Please contact us !

あなたは 0000040158 人目のお客様です。
You connected as No. 0000040158 customer.